第18章 お揃いデート
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流し読みのため、詳しいストーリーはあんまりよく分からなかったが、...まあ何となく、大体どんな本なのかということは分かった。
(ふーん、やっぱカカシも...)
さきは別ページもパラパラパラと軽く流し読みして、パタリと本を閉じてカカシに返却した。
『はい、ありがと』
「あれ?そんな感じ?」
カカシは彼女に一体どんな反応を期待していたのだろうか...
その詳細は彼以外分からないが、すっかり拍子抜けした表情で、さきから返された本を受け取った。
『カカシ』
「ん?」
さきはカカシに耳を貸すようちょいちょいと手を招く。
口元に手を宛てがうと、カカシは素直にそれに従ってさきの口の高さまで腰を曲げて屈んだ。
『あのくらいじゃ女は満足できないよ。 勿論、私もね...』
バッ勢いよくとさきから離れたカカシは、驚いたような、意外そうな、なんとも言えない表情を浮かべていた。
その様子にさきは、軽く声を立てて笑う。
『ね~なんて顔してんの? もう...くふふ... 変態やなあカカシ』
「うるさいよ!!」
ニヤニヤ笑いながらカカシを馬鹿にするさき。
彼女はこのデートを心から楽しんでいた。