第18章 お揃いデート
さきの気になることはまだまだ止まらない。
気を取り直して、さきは更にカカシに質問をした。
『じゃ、違う質問ね! いつも読んでる本、あれなに?』
「えぇ?またオレの話?」
『当たり前やろ? 今日はカカシのこと知りたくて誘ったんやもん』
「え、そうなの?」
『...はっ! ちがっ...!』
(しまった~。)
つい口が正直に動いてしまった。
『違うの違うのそうやなくって、今のはちょっと間違えて......』と身振り手振りで否定するも、それはどうみても肯定にしか捉えられないだろう。
さきは、自分の間抜けさに呆れた。
「え...なに?どーしたのよ?」
カカシのジト目が痛く刺さる。
『~~っっ悪い?!カカシのこと知りたくって』
「別に悪いなんて言ってないでしょ? 次は怒ってどうしたの?」
『怒ってないもん! てかそうやなくって、その本よ、ほーんー!』
さきはカカシの手荷物の中にその本があることを見越して指さす。
カカシは、「何で知ってんの」と言わんばかりに困惑の表情を浮かべながらその本を徐に取り出した。
「これ?」
『そ!よく飽きずに毎日毎日読んでるなって』
「んー......読んでみる?」
スっとさきの胸の高さに差し出されたオレンジ色の厚めの本。
本のタイトルは、“イチャイチャパラダイス” と書かれており、裏表紙には何故か禁止マークが大きく書かれていた。
一体どんなものなのか......と、さきは興味本位でパラパラと適当にページを捲り、その手を止めて内容を読んでみた。