第18章 お揃いデート
「えっ...オレとデートしてくれるの?」
『う、うん。 明日、カカシが嫌じゃなければ... たまには修行とか全部おやすみして...』
「嫌じゃないよ全然。 どうしたの急に...どこか行きたいとこでもあるのか?」
『カカシのこと知りたいから』とか、『自分の気持ちを確かめるため』なんて言えん!絶対。
さきはデートの目的ばかり考えていたために、デートの内容など全く考えてなどいなかった。
(馬鹿...ノープランすぎでしょ私... どこ行きたいとかない!)
どうしようどうしようとさきがあたふたしていると、カカシはふ と笑って、「とりあえず繁華街にでも行ってみる?」と自分を誘った相手に提案した。
さきはうんうんと何度も頷いて、自分から突然誘っておきながら申し訳無いと思いながらも、カカシの意見に賛同した。
さきは、サク とナスの天ぷらをひと口食べる。
『ん~まっ! ちょっ文句言ってるカカシ意味不明! めちゃくちゃ美味しいよこれ!』
「...じゃ、今度“お前の嫌いなキノコ”の天ぷら大量に揚げていい?」
『......や...ごめんなさい...』
その彼女の素直な反応に、クククと肩を揺らしながらカカシはまたナスの天ぷらをさきに見えないよう口に入れる。
(何だかんだ沢山食べてくれてる...)
これもカカシの優しさなんだ...とさきは気付く。
途端に、彼とのデートが単純に楽しみになってきた。
......明日は、ちょっとだけ、いつもより可愛くしようかな......