第16章 THE DAY -4-
カカシは顔の半分を覆うマスクに手をかけた。
「本当にこれでいいのね?」と念を押して。
コクリと頷き、緊張に喉を鳴らしてさきはカカシの顔をみあげる。
カカシは静かにマスクを下ろした。
『....は....っ.......ま、たマスク?』
さきは、マスクの下にあるもう一枚のマスクをみて戸惑いの表情を見せる。
「そ、マスクの下にはまたマスク。 だから言っただろ? 本当にみるだけでいいの?って」
『も~~......なんやぁ...期待したのに...』
カカシが肩を揺らしてクツクツと笑うとガックリと彼女は項垂れた。
『そうじゃなくてさ、顔よ顔』などとブツクサと文句を垂れる。
あぁやはり彼女といると心が暖かい...
先ほどまでの気まずい空気は一掃され、いつもの和やかな空気に、カカシは「やはり愛おしいな」とさきへの気持ちを再確認していた。
(返事はいい、なんて言ったけど...)
もう少しだけお前の脳にオレのことを埋め込みたい...そう思うのはいけないだろうか。
さっき意地悪したことを謝ったばかりなのに、彼女を困らせたいと思うのは男だからなのか、自分の“性格に難アリ”なのか。
心の中でそんなことを思いながら、カカシもさきに要求する。