第16章 THE DAY -4-
『そんなつもりなくっても...こんなに女を泣かせといて...... まさか一人で住めなんて酷いこと言わんよね?』
「言わない言わない。 一緒に暮らそうさき」
『......ん...』
さきは両手で顔を覆ったまま二、三度コクコクと首を縦に降った。
「...あ......あと、さっきのことだけど」
『さっきって?』
「オレの、お前への気持ち。 好きだって。」
『......うん...』
「あれは本当だよ。 返事とかは別にいいから。」
『.........うん』
時刻はそろそろ夜の九時半を指そうとしていた。
なんとも言えない気まずい空気が二人の間を流れる。
コチコチコチと時計の秒針がやけに煩く聞こえていた。
『......プレゼント』
「え?」
『誕生日プレゼント、ほしい。』
さきは突然プレゼントをねだり始めた。
(え、ちょっと待て...どういうこと?)
流石のカカシも、あまりに不意を突かれすぎて戸惑いの表情を浮かべる。
「何か...欲しいものでもあるのか?」
念の為、聞いてみる。
まぁ、本当に何も用意してなかったし、サプライズのこの家ではギャン泣きさせてしまったし...ほんのワガママくらい聞いてやりたい...そう思って。