第16章 THE DAY -4-
『カカシと一緒に居られないのは寂しいって言ったの! この嘘つき!アホ!いじわるっっ!』
さきはボロボロと大粒の涙をこぼした。
突然の事にカカシはギョッとし、慌てて彼女の慰めに入る。
「ごめん!オレが悪かったよな。 つい...すまない泣くなよ。」
『っカカシが悪いんやもん...!
私は二週間って聞いてた...! 寂しくて...でもそんなこと言えるわけないし...任務やし...っ!
だから我慢して...でも家もなくなって...私も任務頑張ろうって...っ
今日は一人でいるつもりだったっ...!
お父さんとお母さんと健太に...ごめんなさいって謝ってたの...
私が今年も生きててごめんなさいって...
でもみんなのために生きるからって...!
私は一人で! 一人きりでいてたのに...っ!
突然カカシが帰ってきてっ...カカシが...暖かくて...優しくて...嬉しくてっ...
もう胸が...心がいっぱいいっぱいやのにっ...!
意地悪なこと聞かんでよぉっ...っ!!
一緒にいたいに決まってるやろばかぁ...っ』
『うわぁん』と滝のように涙を流して泣くさき。
あぁ...もう、たまらない。 止まらない。
それは衝動的だった。
カカシはさきをぎゅうっと強く抱きしめた。
「ごめん...ごめんなさき。意地悪だった...ホント。
オレがお前の傍に居たいんだ。
好きだよさき。」
ひっくひっく、としゃくりあげながら泣くさきの頭を大きな手がゆっくりと撫でる。
カカシとしては、咄嗟に口から出た彼女への気持ちがどうとかよりも彼女を追い込んでしまった後悔の方が強かった。
さきの肩の震えがおさまり、声が止んできた頃、カカシは彼女をそっと腕の中から解放した。
涙によって充血し、赤く染った目、鼻。
唇を噛み締め眉を顰めたその泣き顔は、パッと彼女の手によって隠された。
『み...んといて...ブスやから』
「......本当に、ごめん。 泣かせるつもりは...」
『何度も謝らんといて。』