第15章 THE DAY -3-
カカシはさきの手を引いてゆっくりと三階分の階段を上がる。
その一番奥の角部屋の目の前でカカシはさきの手を離し、ドアの方へと向き直った。
「ここだよ」
暗くて見えにくかったが、カカシの目は、柔らかい三日月のような弧を描いて優しく微笑んでいたように見えた。
『ここ...?』
戸惑いながら確認するさきに「そうだよ」と、返事をしながらドアに鍵を差し込みカチャリと解錠する。
あぁ、カカシの新しい家だろうか...さきはそんな風に予想した。
「入って」
『...じゃぁ、お邪魔します』
さきはドアに手をかけ、おずおずと中に入った。
外が曇っているせいで月明かりもなく、中は真っ暗で何も見えない。
玄関に一歩入ったところで立ち止まったさきはキョロキョロと周囲を見渡すも、何せ初めて入った家なのだから照明の位置も分からない。
「さき、早く入って。 オレも寒い。」
『あっ!ごめん...』
さきは靴を脱ぎ、部屋の中に上がった。
キィ...パタン とドアが閉まる。
暗闇の中、カカシが靴を脱ぐ音が聞こえる。
そして、彼が部屋に上がったと同時に、パチッと照明に明かりが灯った。
さきはいきなりの明るさに一瞬目がくらんで目を閉じた。
眩しい光の中、徐々にゆっくりと目を開ける。
すると...