第15章 THE DAY -3-
『......えっ...?』
そこは、今まで数ヶ月間過ごしてきたあのカカシの部屋に置いていた見覚えのある家具家電たちが、全く別の配置で置かれた広い部屋だった。
それは二人で共有していたものに限らず、さきが個人的に使用していたものも。
そして更に奥にはダンボールや衣装ケースなどの箱の山が見える。
『ここって...』
「ここは、三代目がお前の為に用意してくれた新しい家だよ。」
『へっ...私の...? ほ、火影様が、なんで!?』
「下忍祝い。 この世界へ来てから、さきの為に何も出来なかったからっておっしゃっていた。 今日から使えるようにしてもらったんだよ。」
『...ほんまに? ...いーの?こんな広い良い家... あっ家賃とか! どうなってるんやろ...?』
「家賃は必要ないよ。 あ、でも光熱費だけは掛かるんだっけ...」
あれ~?どうだったかな...などと言いながらカカシは自身の後頭部に片手をやる。
『あ。あのっ.......その...カカシは...どこに住むん?』
「...なんで?」
『なんでって...気になるから』
「なんで気になるの?」
『......質問に質問で返すの無し...』
カカシは少しの間の後、頭から手を離し、真っ直ぐさきの方に向き直って、その距離を一歩だけ近づけた。
片目のみ見えるカカシの表情からは、何故か感情が読み取れず、さきは内心戸惑うも、そんなカカシから目が離せなかった。
「......じゃ、さきに選んでもらおうかな?」
『え、何を...』
「ん?...オレと住むか、住まないか」