第14章 THE DAY -2-
「あぁそうだ。 話は変わるけど...今日はお前にとって辛い日でもあるんだろうけど、誕生日でしょ? おめでとう。」
笑顔で話すカカシに、さきは目を丸くした。
(......覚えてくれてたの?)
『あ、ありがとう...』
「と言っても、何も用意してなくて悪いな。 オレそういうの疎くて」
『いいよ、そんなん気にしなくても。』
慌てて両手を振るさきは笑顔ではあるが、いつもの花のような笑みではなく、やはりどこかたどたどしい。
カカシはそんな彼女の痛々し気な表情に浅く息を吐き、肩と眉を少し下げた。
「......複雑か?」
『...まあ...ぶっちゃけね。 でも嬉しいよ、凄く。 そう言えばカカシの誕生日って...』
「ん? あぁもう終わったよ。 九月十五日」
『えぇ?!何で言うてくれやんの?!』
「え...自己申告するもんなの? 今日誕生日ですって...」
『いや、違うけど...聞かんかった私も私やけど... なんだ...ごめんね 何もしてあげれなくて。 ...何か欲しいものとか、して欲しいこととかない? めちゃくちゃ今更やけどさ。』