第14章 THE DAY -2-
知らなかったとはいえ、それはカカシにとても申し訳ないことをした...と今度はさきが肩と眉を下げる。
ちょうどその頃は修行、修行の毎日だったと振り返る。
しかし、こんなに自分が世話になっている一番身近な人の大切な日に“おめでとう”の一言も言えなかったのかと思うとなんだか悔しく思った。
「ん~そうだな......じゃ、ちょっと出掛けようか。」
『え、これから? どこに?』
「お前に見せたいものがあるって言っただろ? 見に行こ」
『えっ...それは私やろ? カカシのことを聞いてるのに』
「いいから。 そこに一緒に来てくれたらそれでいいよ。」
カカシは優しく微笑んだ。
一体それは何なのか...というより、それはカカシの誕生日とは全く関係ないことであって...とさきは少々困惑する。
しかし、自身の興味を誘われたのも事実だ。
(...何だかよく分かんないけど...着いてきて欲しいって言うんだから、とにかく着いていこう。 気になるし。)
「寒いから暖かい格好しろよ」
『わかってる』
二人は残りのコーヒーを飲み干し、宿を後にした。