第14章 THE DAY -2-
カカシはさきを、彼女が泊まっている宿へと連れてきた。
部屋に入るなり、自身がかけた外套を脱がし、代わりにフカフカのバスタオルを肩から掛けてくれた。
そしてフェイスタオルで丁寧に髪を拭く。
「着替えある? 暖かいもの買ってくるからその間に着替えてて。」
その動きはテキパキと素早く、さきは『はい』と素直に応じた。
数分後、部屋に戻ってきたカカシの手には、あたたかいコーヒーの缶が2つ。
彼に言われた通り、着替え終えていたさきを見たカカシは微笑みながらそれをさきに渡した。
「本当にびっくりした。 死んでるのかと思ったよ。」
『それ酷くない? ...てか私もびっくりした。 ...何で二週間なんて嘘ついたんよ?』
「いや、それはさ...」
その続きを渋り、カカシは目線を彼女から外し、コーヒーを飲む。
『...なに?』
「...どうしても今日見せたいものがあって、悟られたくなくてね。」
『見せたいもの?』
「そう。...落ち着いたら、見にいく?」
『ふふ カカシが嘘ついてまで見せたいものやろ? 見たい見たい。 それこそ気になって死んじゃう』
「ふ。 見たら驚きで死ぬかもな」