第14章 THE DAY -2-
ひとしきり涙を流し、鼻をすんすんと鳴らしながらさきはたった一人で、誰かに向かって話していた。
『ごめんね...お父さんお母さん、健太。 今年も、私だけ歳を重ねちゃった。 今年も...生きてるよ、私。 ちゃんと生きてる。』
...あなたたちの死と共に。
目の前には白い雪しかない。
何も無い。
『サスケくんにも余計なこと言ったかな......少しでも立ち直れるように力を貸したいなんて図々しいこと思っちゃって.....
一番立ち直れてないの、私やのにね......こっちの世界にきて、どんどん大切なものが増えてっちゃう......こんなはずじゃなかったのにな.......』
止まったはずの熱い泪はまた瞳から零れてゆく。
こっちの世界でもまた、失うかもしれない。
そう思うと、怖かった。
『....ふっ.....ひ......く.....うっ.....っ』
木の葉の里、優しい里の仲間、可愛い弟分。
いつもそばに居てくれる人...
『無くしたく.......ない.....っ』
_____ 突然、温かい何かがさきを包んだ。