第14章 THE DAY -2-
カカシが辿り着いたのは、“大切な人”の元だった。
第三演習場にある、慰霊碑の前だ。
カカシはいつもここで愚かな自分を戒める。
(オビト、今日は凄い雪だ。 一面真っ白で、まるで自分の場所を見失ってしまうかのようだよ。)
心の中で親友に話し掛ける。
何年月日が流れても...いつまで経っても...オレは“ここ”から動くことが出来ない。
でも、ひとつだけ変わったことがある。
それは、彼女の存在だ。
「大切なものを作ると碌な事がないが...でもそう思っていても、自然と出来るもんだな。 仲間も、里も...アイツのような存在も。」
オレはもう無くしたくないから、出来ることなら大切なものは作りたくない。
だけど、大切なものはいつの間にか自分の心の中に自然と居座る。
そして自分もそれを許してしまう。
(それが人との繋がりというものか...)
「さて...迎えに行きますか」
今度こそ、慰霊碑に背を向け、想いを馳せる“大切な人”の元へ向かおうとした。
......ふと、顔を上げると...遠くの方に見覚えのある柔らかなピンクブラウンの髪の毛が見えた。
「......え? .........嘘でしょ」
カカシはその姿の元へ走った。