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【NARUTO】繋ぐ場所【カカシ】

第14章 THE DAY -2-


 その頃、カカシは木ノ葉隠れの里へ向かっていた。
 今日は雪が酷い。
 こんなに雪が降ることは珍しい。
 もう目と鼻の先に里はあるのだが、視界が悪く、予定よりも時間が押していた。


 あぁ今日は、彼女の誕生日なのだから早く帰って一言祝ってやらねば...と、カカシは目的地を目指して走る。
 木々を蹴り、前へ前へ進めるその足は、何よりも彼女の元へ行こうと必死だった。


 あんの門へたどり着いた時、時刻は夕方の五時頃だった。


「オレがこれから報告しに行く。 お前達は先に帰っていいよ。 お疲れさん。」
 “予定通り”きっちり一週間の任務を終え、カカシは一人で火影室へ向かう。
 その際に通るアカデミーの校門付近では、色とりどりの傘や防寒具を身につけた子供達が、雪を楽しみながら帰宅の途へと着いていた。


「只今戻りました。」
「おお、戻ったかカカシ。 雪の中ご苦労。 任務はどうじゃった。」
「はい、三代目のおっしゃるように.......」


 簡潔に要点を纏めて報告を行う。
 今回の任務はスムーズにいった。
 収穫もあり、火影様も満足そうにパイプをふかす。


「そうか。ご苦労。 ......そう言えば、今日か<あの日>は。」
「えぇ。 本人には秘密にしてるので、驚くと思います。」
「ハッハッハそうだろうな。 なに、ワシはアイツがこちらへ来てから碌な事をしてやれんかった。 せめてもの祝いだ。 気に入ってくれると良いがのう。」
「恐らく気に入りますよ。...それよりも、本当にオレも良いんでしょうか」
「アイツにはお前がついてやる必要があろう? それにお前にも...... もうお前のことを何年見ていると思うておる。 うまくいけばいいのう。 ハッハッハ」
「ハハ....お見通しというわけですか... まぁ、彼女の気持ちもありますので、何とも」
「何、拒否されたらワシがまた別の物を用意する。 ......さて、この雪じゃ。 外におらんといいがな。」


 他人からすれば妙で意味深な会話を交わし、カカシは大きな窓の外へ視線を移す。
 こんな景色は珍しい。
 木の葉の里は、真っ白な銀世界となっていた。


「......行きますか」
 カカシは火影様に一礼したあと、火影室を後にし、とある場所へ向かった。


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