第14章 THE DAY -2-
『.......っひっ......う...っ...さむ...い......よっ...』
お父さん...お母さん...
健太...
彼女は、泣いた。
ただひたすら泣いた。
悲しくて
怖くて
嫌で
辛くて
しんどくて
キツくて
苦しくて
寂しくて.......
流れる時間とともに、その姿を誰にも見られてしまわないように、亡くなってしまった彼らが隠してくれているのだろうか......
枝の隙間からこぼれ落ちていく粉雪が、さきの体にシンシンと積もっていった。
...誰がなんの恨みがあって私の生まれたこの日をこんな悲しい日にしたのだろう...
...また私だけ、歳を重ねた...
冷たい頬を流れ落ちる暖かい泪は、カカシとお揃いのマフラーに染みを作っていく。
_____ 私は冬が嫌いだ。
身体も心も どこまでもどこまでも、寒いから。