第11章 初任務
さきは何も言葉を発しない彼に、ほんの少しだけ自らの過去を掻い摘んで話した。
勿論、異世界から来たことは伏せて。
黙ってさきの話を聞いていた彼は、自分と同じように家族がいないと知ったさきの顔をじっと見た。
『私も家族いないから、キミの気持ち少しは分かってあげられると思ってる。 でもねサスケくん...確かにキミは強いけど、復讐は私はオススメしないよ』
「誰が何と言おうが、オレの勝手だ」
『まあ確かにね! ...でも復讐をして、キミに何が残るの?』
サスケはキッと力強い瞳をさきに向ける。
その色は黒く、孤独の哀しみと憎しみが混ざりあい揺れていた。
『復讐はその身を滅ぼすことになる。 復讐は復讐を呼び、取り返しがつかない所まで恨み、憎み、無くしてしまう呪いのようなもの。 そんなものに取り憑かれては、サスケくん自身だけじゃなく、キミの御家族や親しかった一族の方々を否定することにもなりかねない。 ...とても辛くて暗い闇の世界やと思うよ?』
「......どういうことだ」
『ふ まだ理解できんかもしれへんけどね。...つまり、キミの力はもっと別のことに使うといいのにね?ってこと』