第11章 初任務
今日は火遁の修行をしていた。
たまたま二人のチャクラ性質が同じということもあり、さきが知らなかった豪火球の術をサスケが逆に教えたりもしていた。
『凄いねサスケくん。 あんな大きな炎を起こせるなんて』
彼からの返事はない。
しかしどこか距離の縮まっている二人。
さきは「別に凄いことではない」という、サスケの無言の否定を感じ取っていた。
『サスケくんは、なんでそんなに強くなりたいん? 夢でもあるんかな?』
さきは、ふと疑問に思ったことを尋ねた。
どこまでも強さを求めるサスケ。
アカデミー生の中ではずば抜けてトップの成績を修めている子だというのに、一体彼は何を目指しているのか。
「......オレは復讐者だ。 力を付けて、強くなり、必ずある人物を殺す。 それがオレの夢であり、目的であり、生きる理由だ。」
さきは驚くでもなく、真っ直ぐ前を見つめるサスケの横顔をただ眺めた。
(あぁ、なるほど。この子はそのために力を...)
『...そっか。 キミは強いね。 私なんか心が弱いから、みんなの後追って死んじゃおうともしてたのに...その歳で復讐だなんて』
サスケは、思いがけないさきの言葉にピクリと反応した。
『私にも家族おらんからさ、その寂しさや辛さはよく分かるよ。』