第11章 初任務
火影様の名前を出すと、サスケはさきをしぶしぶ家の中へと通した。
「それで、アンタは一体何をしてくれるってんだ?」
『...お口が悪いようやねぇサスケくん? 特別何かしようなんて思ってないよ。 いつも通り過ごしててね。 私、勝手に着いていくから。』
ニコリと微笑むものの彼は相変わらず無愛想な態度でそれ以降なかなか会話は生まれなかった。
しかし沈黙を破ったのはサスケのほうだった。
「おい。お前歳はいくつだ。」
『初対面の女性に歳を聞くの??.....25歳よ。』
「25歳で下忍なんて、相当大した事無いんだな。」
ピシッと私の脳みそが石のように固まる音が聞こえた気がした。
「......人には人の事情ってもんがあるんやで? その悪いお口は誰から教わったんかなぁ?」
さきはぴくぴくと顔面の筋肉を引き付けながらもなんとか笑顔を保つ。
しかしサスケは、フンと可愛くない態度を再び取り、「オレは修行で忙しい」と、さっさと外へ出てしまった。
『あ!ちょ、待ってよっ』
着いたのは、サスケが一人で修行をしているであろう少し暗い森の中。
至る所に手裏剣やクナイで付けられた傷が残っていた。
『へぇ、ここがキミの修行場?』
「怪我をしたくなかったら引っ込んでろ」
そう言って彼はその場で高く飛び上がり、様々な方向へ体をひねり、クナイを的へ投げ始めた。
それはさきがカカシに教わったものに近いものがあった。
サスケが投げたクナイは、的のほぼど真ん中を射抜いていた。
だが、「クソ...」とサスケは悔しがる。
『凄いね...何悔しがることがあるの?』
「...チッ あの大きな岩の裏の死角だ。 あそこにどうしても上手く投げれない。」
『...あぁ...アレ?』
サスケが言うその的の位置をチラリと確認すると、確かにそこはものすごく投げにくくて、カカシなら喜んで仕掛けそうな...いかにも性格の悪そうな位置に配置されていた。
『そうやね......ちょっとしたコツで、サスケくんならすぐ出来るようになるよ。』
さきはそう言うと、サスケが立っていた場所へ移り、クナイを十本指に挟み込んで構えた。