第10章 彩火師
ね!とさきが笑うと、カカシは徐に立ち上がって
「ま、こんな感じだ...」
と印を組み始めた。
バチチチチチチチチッ......と、青白い光を放ち、激しい電撃がカカシの右手を走る。
「雷切!!」
『え!!すごい!!!雷切って言うんや!...これは......投げるの?当てるの?何かの形に変えるの?』
「このまま突進してぶつける。所謂突きだ。」
『なるほど......でも突きって相当な動体視力が必要やし、相手のカウンターにも気をつけないとアカンよね? ほら、私剣道やってたからさ、突きって苦手で...』
「そうだな。 お前の言う通りで、ただ突っ込むだけなら、当たるか当たらないか分からない、一点集中型の殆ど賭けの捨身技みたいなもんだよ。 だからコイツと併用して使う。」
カカシは額当てに隠された左目を左手の親指で指差した。
『んーなるほど、その写輪眼あっての術なのね』
納得した様子でさきは何度も頷く。
カカシは雷切を解術した。
暫く目を閉じて『う~ん』と首を傾けながら何かを考えていたさきは、突然ピンときた様子で目を見開いた。
そしてニッコリとカカシに微笑む。
『なら、私は近距離戦の仲間をサポートできるような...中・長距離技にしてみるっ』