第10章 彩火師
_____ 翌日。
今日はカカシの長期任務の前に修行をつけて貰える最後の日だ。
さきは只管、カカシの頭の中にあるイメージと、自分の中のイメージを具現化させるよう努めて技を作っていた。
「花火」と彼は言っていた。
七色のチャクラをどう扱うか...さきは真剣にそれと向き合った。
創り出される炎の色は、自分が練ったチャクラの色になることがわかった。
青いチャクラを練れば青い炎に...緑の炎を出すには緑のチャクラを練る...
また、その炎は三色まで同時に出すこともできた。
しかし色を増すごとにチャクラの質は下がり、一色の炎よりも小さく燃えた。
『なるほど...つまり、より攻撃力を高めるには一色か。 それも実際の花火の火力と同じように、銀色が最も高威力ってことね......』
だいぶ掴めてきた。
それぞれの炎の色によって印を変えなければ安定しないことも分かった。
さきは腰のポーチに入っているメモ用紙とペンを出して覚えたことを書き留める。
そしてまた技を出す。
それを繰り返し繰り返し行った。
カカシは「今のそれ、いいね」などと時々彼女に声をかける。
しかし、基本的にはただ傍らでさきを見守るだけだ。
『そう言えば...私カカシの必殺技って見た事ない』
「ん、オレの?」
『そう、見たい!参考までに!』
「良いけど...そもそも性質も違うけどだいじょーぶ?」
『いいの!ヒントはどこにでもあるもんよ』