第9章 Drunk Sweetie
「あのね、オレに気を使わなくていーから。 だいじょーぶなんて言ってないで、素直に運んでくれって言ってほしいのよオレは。」
『な...そんなこと......カカシもお酒飲んでるし悪いよ...自己責任やしさ』
「いいって言ってるでしょ。 おんぶしてくださいは?」
『もう~カカシ...』
さきは、悪いとか自己責任とか彼女らしい言葉を並べていた。
別に困った顔をさせたかったわけではなかったが、カカシとしては、「オレを頼って欲しい」とか「甘えて欲しい」という勝手な願望もあって、それは聞き入れなかった。
何せ三日後からほんのしばらくの間は会えない。
さっきは寂しがるなと彼女を揶揄ってみていたが、カカシにとっても寂しさは感じてしまうものだ。
今の彼女は少し可哀想だ...けどここは都合よく酔っているさきをうまく“利用して”少しでも彼女を感じたい...カカシはそう思っていた。
(ホントはその表情、甘えたいけど甘えたくないって困ってるんでしょ?)
ゾクリと自分の心の黒い部分が湧き上がるのをカカシは一人感じていた。