第5章 アリス風衣装 弱ペダ 黒田雪成 甘
ヤバい。これは本当にヤバい。
5.アリス風衣装
「こんな格好でするって聞いてない。」
文化祭当日、
私は目の前におかれた衣装に愕然とした。
だって、絶対絶対、ユキが怒るやつだ。
バレなければよかったかもしれないが
よりにもよって遊びに来てね。
と言ってしまった。
わざわざ、箱根から千葉まで来てもらって
怒らせるわけにはいかない。
「純太、無理だって!
ホントのホントにこれは着れない。」
タキシードに着替えた純太に助けを求めると
「あー。お前の彼氏な。」
苦笑いを浮かべながら
「アイツが来る時間決まってるなら
それまでこれ着といて、
途中で制服に着替えたらいいんじゃないか?」
と言った。
なかなかの折衷案だ。
ウィッグもつけているので
後ろ姿ならほとんどの女子は一緒で
すぐにはわからないし着替える時間もありそうだ。
奇跡的に着く時間は聞いていたし、
クラスメイトに迷惑もかけない。
「まあ、そう上手く行くかは
わかんねぇけどな。」
自分の思考に夢中で純太が呟いた一言に
気づいていなかった。
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「いらっしゃいませ。
2名様ですね。こちらへどうぞ。」
「お待たせいたしました、
ケーキセットお二つです。」
忙しい!
なんでこんなに忙しいの!
色んなところで声がする。
「いらっしゃいませ。何名様ですか?」
顔を上げると
ユキと泉田くんとタクトくんの3人の姿。
「え。ゆっ、」
思わず、出てしまった声に
「あれ?もしかしてちゃん?
髪の毛長いのも似合うね。
かぁわいー。」
気づいたタクトくんがポンポンと
私の頭を撫でた。
「ホントだ。
言われないと気づかなかったよ。
さん、似合うね。」
泉田くんがニッコリ笑う。
「ありがとう。タクトくん、泉田くん。」
終わった。
もう、ユキの顔が見れない。
「こちらのお席へ、どうぞ。」
ニッコリ笑って空いている席へ案内する。
「、大丈夫か?」
バックに下がったタイミングが同じだった
純太に声をかけられた。
「とりあえず、
ユキたちが帰ったら休憩もらう。」
「ああ、わかった。」
彼はコクリと頷く。
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