• テキストサイズ

短編集●色んなキャラと365のお題

第38章 その台詞は死亡フラグ ヒプマイ 波羅夷空却 ほのぼの





「しょーがねぇな、ちょっと待ってろ。」

立ち上がろうとした空却の服を掴んだ。

「いらない。」



不思議そうな顔で空却は私の顔を覗きこむ。

「?」

「お願い、どこにも行かないで。」

空却の手がピクリと震えた。



私が何を言ったって、
空却が聞かないのは知っているのに。

言わずにはいられなかった。



「・・十四から、聞いたのか。」

座り直した空却は
真っ直ぐと私を見つめる。



コクリと頷くと
空却の指が雑に私の前髪を整える。


色素の薄い空却の瞳と目が合うと、
その目を優しく細めた空却は
私が昔、聞けなかった東都の話を
ポツポツとしてくれた。



お友達との出会いと、それから別れ。



「・・拙僧には
ぶちのめさねぇといけない奴がいる。」


それが、誰なのかは一目瞭然で
もう私には東都行きを
拒否することはできなかった。



「だから、待ってろよ。
ぜってぇ帰ってくっから。」



続けられた空却の言葉は映画やドラマで
帰ってこない人が言う台詞だったから

「なんか、その台詞は死亡フラグみたいだね。」

でも、なぜか空却らしくて笑ってしまった。



「っ!? 笑うとこじゃねぇだろ!」

私に背を向けた空却の耳が
真っ赤に染まっている。

部屋を出て行かないのは
追いかけていけない私への彼なりの優しさだろう。



「笑っちゃってごめん。」

空却の背中に額を合わせた。



「待ってるよ、空却。」


それを聞いて立ち上がった空却が
振り返って私の頬に手を添える。


見上げると空却はまた優しく目を細めて

「当たり前だろ。」

私の額に触れる空却の唇。


突然の出来事に状況を理解するまで
時間がかかった。



「もう少し、寝てろよ。」

ニヤリと笑みを浮かべた空却はそう言い残し、
客間を出ていく。



残された私は眠ることも出来ずに
布団の中で
ゴロゴロと身悶えていた。




空却のバーカ!

東都から帰ってきたら覚えといてよね。





fin

あとがき。

お誕生日なので空却でした。

東都行く前にこんな話があってもいいなー。
っていう理想です。

お誕生日おめでとう!でした。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

2022.08.21 朱華
/ 85ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp