第37章 誘ってるのか? 弱ペダ 荒北靖友 甘々
近すぎて気づかなかった。
37.誘ってるのか?
「靖友、今年も帰んないの?」
夏休みになると、
寮生たちのほとんどが実家に帰る。
はベッドにもたれ、
俺が買い置きしていた棒付きアイスをかじりながら
隣に座っている俺を見上げた。
「おー。部活あるしな。」
ソーダ味のアイスをひと口かじると
暑さも幾分かやわらいだ気がする。
「はどーすんだよ?」
答えを知っていながら
そう聞く俺はズルい。
「靖友がいるなら、私も残るよ。」
せっかくなら一緒に帰りたいじゃん。
口を尖らせながら、は
当たり前とでも言うような顔をしていた。
「しっかし、今日も暑いねぇ。」
アイスを完食したが
ゴロゴロとベッドに寝ころがる。
「たしかにアチーけど、
お前、いっつもそんなカッコしてんのかよ。」
「そうだけど?」
不思議そうな顔で見上げてくるは
緩めのタンクトップにショートパンツ。
胸やら尻やらが
絶妙に見えそうで見えない。
「へぇ。」
ベッドの上に移動すると、
「靖友?」
が俺に視線をうつした。
仰向けに寝転がっていた彼女の顔の横に
手をつき、覆いかぶさってを見下ろす。
「誘ってんのか?チャンよぉ。」
グルグルと真っ黒な感情が渦巻く。
こいつにあたっても何の意味もないし、
俺にはそんな資格はないのに。
クスリと笑みを漏らしたは
俺の頰に手を伸ばした。
「そうだよ。やっと気付いた?」
「は?」
思ってもみなかった返事に
間抜けな声が漏れる。
が身体を浮かせて唇を重ねた。