第35章 泣いているのを押さえつけて 東リベ 三途春千夜 シリアスめ
もう一度、私の首筋を撫でた千夜の指。
「さん、俺を選べよ。」
千夜はポツリと呟く。
その声はひどく悲しみに満ちていた。
どうして、貴方の方が悲しそうな顔をしているの?
彼の唇が首筋に触れ、チクリと痛みが走った。
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顔を上げると、さんは相変わらず、
今にもこぼれ落ちそうなくらい涙を
目にいっぱいためている。
この人を泣かしてまで
手に入れたいものって、なんだ?
こんなことで、俺が欲しいものは手に入るのか?
拘束していた手を離し、彼女を起こすと
さんの目にたまった涙が頬を伝う。
「すみません・・イヤな思いさせて。」
彼女の正面に座って流れる涙を指で拭うと
「千夜のバカ!」
さんは子どものように泣きじゃくった。
そんな彼女の腕を引き寄せて抱きしめる。
子どもをあやすように背中をさすっていると
泣き止んださんが顔を上げ
俺を見つめたから腕の力を緩める。
薄く口を開いたさんは
そのまま、俺の首筋に唇を寄せた。
チクリと彼女の唇が
触れたところから痛みが走る。
さんは俺から唇を離して、
満足気に自分がつけたシルシを撫でた。
「私のだから、だれにも取られないでね。」
甘いクサリが俺に絡まる音がする。
もう一度、俺を見上げたさんは
俺の頬に手をそえ、ゆっくりと引き寄せ、
小さな唇を俺の唇に重ねた。
唇を離したさんは、フワリと微笑んだ。
「千夜、好きだよ。」
fin
あとがき。
春千夜お誕生日記念!のはずなのに
楽しくラブラブみたいな話にならず。。。
すみません。
春千夜に嫉妬されて、
千夜って呼びたかっただけの話。
これでも春千夜大好きです。
春千夜、お誕生日おめでとう、
声がついて動き回る日を楽しみにしてます。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
2022.07.03 朱華