第32章 手袋代わりに僕の手を 東リベ 松野千冬 ほのぼの
たまには、役に立つじゃん。
32.手袋代わりに僕の手を
秋が始まったばかりだというのに
急に気温が下がって、
やっぱり異常気象なんだなと思う。
突然の気温の変化に衣替えが追いつかず、
昨年使っていたはずの手袋が
なかなか見つからない。
「おい、。遅刻すんぞ。」
ヤンキーのくせに
遅刻を気にする幼馴染が玄関で叫ぶ。
いくら探してもみつからない手袋は諦め、
マフラーをグルグルに巻いて
玄関に向かった。
いってきますと、2人で玄関を飛び出す。
「やっぱ、さむー。」
自分の手に息を吹きかけていると、
千冬が不思議そうな顔をしていた。
「お前、手袋は?」
「どっかの真面目ヤンキーが急かすから
みつかんなかったの。」
そもそも、
どこにしまったのかも忘れてしまったけど。
んー。と、考えを巡らせてから
ポンと手を打った千冬は自分の手を差し出した。