第28章 こんな時しか素直になれない ヒプマイ 観音坂独歩 ほのぼの
「先輩となら、どこでもいいんです!」
ニコッと笑ったは、
ビールのジョッキを俺に手渡す。
酒を飲みながら、彼女と色んな話をした。
仕事のこと、友達のこと、
学生時代の話から趣味の話・・・
そういえば、と
こんなにゆっくり話したことは
なかったかもしれない。
「先輩とこうやって、
色んなお話をしたかったんです。」
彼女がタイミングよくそんな事を言うものだから
心の中を読まれたのかと思った。
「俺もだよ。」
あまりにも自然と出た言葉で
自分の方が驚く。
はフワリと微笑んだ。
楽しい時間というのはすぐに過ぎるもので
いつの間にか、店が閉まる時間になっていた。
この時間が終わるのを寂しいと思うのは
俺だけだろうか。
---
「せんぱい?」
店を出て、
隣を歩いていたが俺を覗き込む。
「あの、さ。」
俺の独りよがりなのかもしれない。
それでもいいから、
もう少し彼女と過ごしたかった。
アルコールが脳を麻痺させているのだと
自分に言い訳しながら彼女を見つめた。
「もう少し、時間あるか?」