第27章 眼帯 ヒプマイ 波羅夷空却 ほのぼの
たまには、こんなのも悪くないかな。
27.眼帯
白い包帯で左目を覆われた自分の顔は
なんとも、滑稽だった。
「歩きづらい。」
片目しか使えないと遠近感が難しく、
ヨロヨロと階段を降り
家に帰ろうと歩いていると、
曲がり角から
飛び出してきた誰かにぶつかった。
「ぅわ!?」
「おい、テメェ・・って、?
お前、なーにやってやがんだ。」
曲がり角でぶつかったのは
「空却こそ。」
幼なじみで彼氏の空却。
ぶつかった相手に
ケンカをふっかけようとしていたのは
目をつぶっておこう。
「拙僧はその・・散歩だ。」
空却はキズだらけの手を隠しながら言った。
こんなにヘタクソなウソがあるだろうか。
「ケンカ?」
わかっていながら彼に聞いてみると
「うるせぇ、
拙僧からふっかけたワケじゃねぇよ。」
空却は来た道を戻るように私の隣に並んだ。
そして、ふいっと顔を逸らした空却が
私に手を差し出す。
突然のことに驚いて彼の顔を見上げていると
「おら、行くぞ。」
しびれをきらした彼は私の手をとる。
珍しく優しい彼の言葉に甘えて、
私は空却の手を握りかえした。
「もう、ケンカしちゃダメだよ。」
目に入った痛々しい彼の手。
「うるせぇ・・お前の所に行こうとしてたのを
邪魔する奴が悪ぃんだよ。」
口は悪いけど、優しい空却はきっと
私のことを心配してくれてたんだね。
fin
あとがき。
かなり、短かめですが
空却と甘々してみました。
よく読んだら名前変換一個しかない。
懲りずにまた読みにきてください。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
2022.04.29 朱華