第5章 波乱の揺れ
当のローはリビングのドアを振り返ると、とても優しい声で言った。
「どうした。のどが乾いた? それとも一人で心細くなったか?」
クマのぬいぐるみを抱えて扉のところに居たは、穏やかに話しかけられて飛び上がった。すっかり怯えきって助けを求めるようにコラソンを見るが、彼に申し訳なさそうな顔をされて、一目散にテントに逃げる。
当然ローはその後を追った。
「部屋に入るなって言ったろ」
一応コラソンは制止したが、
「入らないよ。……の許可が出るまで」
当然わかってるとばかりに、ローは返事をした。