第5章 波乱の揺れ
「ちゃんの親御さんに顔向け出来ない真似はやめとけ。出来ないなら今後ちゃんと連絡取るのも会うのも禁止」
きっぱり言われてローは硬直した。コラソンがこうなったら何を言っても無駄だ。従わなければの連絡先まで消去させられてしまう。
普段はドジっ子を世話していると強気になれても、こういう時のコラソンにローは逆らえなかった。
「。好きだ。付き合おう」
焦ってローはに告白したが、
「い、今の船長さんは嫌」
震える声では拒絶した。
「ちゃんおいで。ローから離れられるとこがあるから」
コラソンに促され、はローの膝からいなくなる。振られたショックで引き止められず、呆然とローはが部屋に連れて行かれるのを見ていた。
なんでこうなるのかわからない。確かに強引だったしずるかったと思うが、は緊張こそすれ、嫌がってなかった。少なからず自分を好いていてくれていると思う。
だからに断られないように、ずるい方法で距離を詰めた。無理強いする気なんてもちろんなかったし、上手くいきそうな手応えもあったのに。
じっとしていると思考が泥沼化しそうだったので、ローは立ち上がるとキッチンに行ってヤカンを火にかけた。が湯冷めしないように何か温かいものを淹れてあげようと思ったのだ。
(コーヒーしかないな。コラさんも俺も、あんまり甘いもの飲まないし。でも砂糖と牛乳あるから、カフェオレにすれば……)
作りながら暗い考えが頭をよぎる。
――は受け取ってくれるだろうか?