第5章 波乱の揺れ
「も、もう、だめ……」
細い肩が震えていて、今にも腰が抜けてしまいそうだ。明らかにキャパオーバーだ。
「残念。もっと一緒に気持ちよくなりたかったのに」
濡れた彼女の髪を触りながらつい本音をこぼすと、は真っ赤になってぺたんと座り込んだ。自分でもびっくりしたみたいで「あ、あれ立てない。なんで……」と焦っている。罠にかかったウサギみたいだ。
ローがかがむとは困って「どうしよう」という顔を向けてきた。罠にかかったウサギはこの場で食べられてしまうかもなんて考えてもいないらしい。
「……頭の上から足の先まで、全身全部キスして可愛がりたいな」
耳元でささやくとはやっと危機感を持ったのか、声にならない悲鳴を上げた。
「だ、だめ」
「なんで。気持ちいいぞ」
の髪を弄びながらローは言い聞かせる。の反応を見るのが楽しくて仕方なかった。
「だ、だって」とは必死に抵抗しようとしている。
「そんなことされたら何でも船長さんの言うこと聞く体になっちゃう……」
理性が飛ぶかと思った。ダメだこの子。人をレイプ魔にする気か。
逆に冷静になってローは立ち上がると、コラソンの寝室から毛布を持ってきて床に広げた。その上に寝かせて転がせば、いい感じのミノムシ完成である。「へ? え?」とか言いながらはされるがままだった。ミノムシの素質がある。
「よし。これで悪い子は封印だな」
「私が悪い子なの!? 船長さんじゃなくて!?」
顔だけ出して毛布で簀巻きにされたが、納得いかないと叫ぶ。悪さの象徴の白い素足も隠れたので、ローはを抱き上げるとリビングに戻った。
カップラーメンをすすっていたコラソンが気まずい顔をしていた。