第4章 秘密のデート
「これ食感面白いね。こんにゃくみたい」
「こんにゃくじゃ風情がないだろ」
「なんで? こんにゃくゼリー美味しいよ」
こんにゃくミルクティー。言われてみればそれはそれでアリなのだろうか。ヘルシーな感じはするし。
「ちなみにタピオカ1杯でラーメン1杯分くらいのカロリーがあるらしいぞ」
「都会のオシャレな飲み物は甘い顔してそんな罠が。……なんか船長さんみたいだね」
上手いこと言った気になったに写真を撮られた。
「パパラッチか」
女子高生に人気の飲み物をすすってる写真を人に見られるのは恥ずかしい。消させようとすると激しい抵抗にあった。
「お守りにするの」
「へぇ?」
「甘い顔して近づいてくる人にはご用心」
「詐欺防止かよ」
ちょっと上手いなと思った間にはスマホをしまってしまった。勝った顔でご満悦だ。
「……人に見せたら嫌がらせするからな」
「ど、どんな?」
「そうだな。1人に見せるごとにキス1回とか」
我ながらいいアイディアのような気がした。動揺するをベンチの端に追い詰めて、ローは「わかったか?」と念押しする。
「み、見せないよ」
「残念。優しくしてやるのに」
の手に指を絡めて顔を近づけるとは真っ赤になった。
楽しくて、ローはの指先を弄び、指先に柔く噛み付く。
「ひゃん!?」
びっくりしては目を丸くしてローを見た。指先に噛み付いたまま、目をそらさず、ローは舌先での指を舐める。
「ほら、怖くないだろ」
緊張しているが嫌がっていないのを確かめて、ローはに顔を近づける。
だがあと5ミリというところで、スマホが鳴った。それも付近にいた人間のスマホが一斉に。