第3章 地獄の合コン
合コンの日がやってきた。
朝から憂鬱な気分で、いっそ台風でも直撃してくれないかと思ったが、そんなローの気分をあざ笑うような快晴がどこまで続いていた。
(日頃の行いか……?)
思い当たる節があるだけに、余計に気分が沈む。
会場のレストランに向かいながら、ローはげんなりと自分の行いを思い出していた。
(ああいうの、もうやめよう……)
ポーラと行きずりでホテルに行ってしまったことだ。
受験期間はストレス解消を言い訳にしていたが、今更になって後悔が押し寄せてきた。
必ず同意は取ったし、避妊したし、何も無理強いはしていない。でも女の子たちはもっと大事にされたかったんだろうし、本当はローもそうするべきだった。
大事にする気もない女とズルズル関係を持って、面倒くさくなったら連絡先を消去なんて最低だったと今更自覚が芽生えたのだ。
(もっとちゃんと……)
体だけの関係になるんじゃなくて、誰か1人をちゃんと大事にしたい。行きずりで女と寝ても、精神的には何も満たされない。
両親はいつも不在だし、ラミは常に女友達優先だし、悪友たちとも進路が別になって週末しか会えなくなった。
そんな状況でローが感じたのは、自分でも意外なことに『寂しさ』だった。孤独には強い方だと思っていたのに大誤算だ。
(あいつらが『彼女彼女』って言うのがやっと理解できた……)
空いた時間を無為に過ごすんじゃなく、好きな子と一緒に過ごしたいという気持ち。今までローにはピンと来なかったが、ここ最近暇な時間が増えて、急に悟りを開いてしまった。
(俺も努力するか。一緒にいて楽しくて、話がはずんで、見てて飽きない……)
全部の条件にが浮かんで、ローは脳内から追い払った。なんだか最近、脳の一部がやたらを推してくる。
(はない。は論外)
ローは機能不全を起こしている脳に言い聞かせた。