第3章 地獄の合コン
「え――っ」
心底びっくりするに、ローはポスターを示した。
「一番上手い」
「あ、なんだ……ポスターの話」
暑いのか頬をわずかに紅潮させたに、無性にキスしたくなった。どんな反応がするか見てみたい。柔らかそうな唇を舌でなぞって、小さな体を抱きしめたい。
「――またな。ポスターは次に会う時、コピーの仕方教えてやる」
変な衝動を行動に移さないよう、ローは急いで立ち上がった。
何でもない風を装って、足早に家に向かうが、動悸がして変な気分だ。
(欲求不満なのか? 全員と手を切ったの失敗だったか)
無性にそういうことがしたくて、意識したら逃れられなくなった。
「あ、ロー」
親しげに声をかけられ、ローは足を止めた。連絡先を消した、セフレの一人だった。
「スマホどうしたの? 最近既読つかないんだけど」
「ああ……うっかり水没させた」
本当は未遂だったが、相手は疑う様子もなく納得した。
「これから暇か?」
ローの問いかけに彼女は赤い唇をにっと歪めて見せた。
「だからあなたは、ちんちくりんな小娘じゃ物足りなくなるって言ったでしょ」
ローと身長の変わらないポーラはカフェを経営する26歳。セフレ扱いにも不満を示さない大人の女で、ローの他にも男が何人かいるらしい。
「店の場所は覚えてるわね? 鍵は開けておくから――」
あとで落ち合おうとするポーラの手をローは掴んだ。
「待てない」
ポーラはびっくりしたものの、余裕は崩さずくすりと笑った。
「ならホテルになるけど」
「それでいい」
会話さえもどかしく、ローはポーラをホテルに連れ込んで、体力が尽きるまでストレス解消をした。