第3章 地獄の合コン
「その前の予定がどうなるかわからないから、時間と場所はまた連絡する。……そういえば、ポスターはどうなった?」
「まだ2枚めを描いてる途中」
まさか全部手書きするつもりなのだろうか。
ローはカバンの中に入れていたカラープリントの残りを取り出した。親に頼んで、病院の掲示板にも貼らせてもらおうかと思っていたのだ。
「え!? これ私が描いたやつ! なんで??」
混乱してはローを見つめた。
「文明の利器に頼った」
「“いけめん”ネットワーク?」
「……まあ後半は正解かな」
「おばあちゃんが、船長さんは何でも言うこと聞いてくれる彼女が20人くらい居そうって」
なんでそうなる。ちゃんと感じよく振る舞ったはずなのに。
やさぐれた気分でローは答えた。
「そんなに居ない。15人くらいだ」
まさに春休みまでのセフレの数だった。今は全部、連絡先を消したが。
「私が16人目?」
「、意味わかって言ってるか?」
「ポスター描く話じゃないの?」
はローが頼めば無償でポスター描きを手伝ってくれるつもりらしい。全部手書きで。
ローは思わず笑った。
「なら『彼女募集』のポスターでも描いてもらうか」
「船長さん、彼女ほしいの?」
「ああ。合コンに誘われなくなるし」
面倒くさい女のゴタゴタも全部『彼女がいるから』でシャットアウトできるし。
何か言いかけ、は口をつぐんだ。
「どうした?」
「な、なんでもない……16番目だし」
なぜか彼女はうつむいてしまった。
「は1番に決まってるだろ」