第3章 地獄の合コン
2限目が終わり、ローは話しかけられる前にさっさと講義室を出た。
(学食はまずいな。どっか外に行くか……)
昼食時だが、正直あまり食欲はない。構内の掲示板に部活動の勧誘ポスターがベタベタ貼ってあるのを見て、ローは頼まれごとを思い出した。
(そうだ、のポスター……)
拡散してほしいと頼まれたが、悪友3人以外にローには知り合いがいないし、SNSもやっていない。ここに貼らせてもらうのが一番だろう。
構内にコンビニがあるので、カラープリンターからから送られてきたポスターの写真を何枚か印刷した。
イラストだけで実物の猫の姿がわからないので、写真も印刷しようかと思ったが、と一緒に写っているものしかなかったのでやめておく。
目当てのイタズラが増えそうだ。
(連絡先はフリメだし、大丈夫だよな……)
のことだからバカ正直に自分の携帯の番号を書きかねない。内容をチェックし、個人情報になりそうなものがないのを確かめてローは掲示板に『里親募集』のポスターを貼った。
ピンがなかったので、その辺の掲示物のポスターを一纏めにして一つ失敬する。弱小運動部のポスターが一つ隠れたくらい、問題ないだろう。
医大は伝統的にサークルではなく、医学部だけで交流する『部活』が主流だった。しかもなぜか運動部が多い。
入学前に父親に理由を聞いてみたら、『運動レベルが低すぎて、他校のサークルと交流したら足を引っ張って申し訳ないからじゃないか?』という身も蓋もない予想が返ってきた。言いすぎだろと思っていたが、実際にのぞいてみてローも同じ感想を持った。