第3章 地獄の合コン
「お兄ちゃん、合コンするの?」
帰るなり妹に聞かれてローは顔を覆った。
「俺にプライバシーはないのか?」
「すごい勢いで噂が出回ってるよ。参加希望者がもう3ケタだって。お見合いパーティみたいだね」
リビングのソファでスマホを操作しながらラミは他人事だ。小さい頃、ラミは体が弱かったのでローもずいぶん面倒を見たのだが、恩などは感じていないらしい。
「妊娠騒ぎで私を呼び出した元先輩も参加したいって」
出欠アプリを見ながらラミは鼻で笑った。自分が母親の胎内に忘れた図太さを妹が持っていったんじゃないかと思う。
「すごいね、お兄ちゃんの元カノ勢揃いするんじゃない? ……付き合ってないから元カノじゃないか」
「頼むからそれ以上喋るな……」
ふらふらとローはキッチンに行って、胃薬を水で流し込んだ。最近減りが速い。しかも大抵妹が原因のような気がする。
「今日は何に当たったの?」
相変わらず変なところで繊細な兄にラミは呆れ顔だ。
「……お好み焼き」
美味しかったし楽しかったのに、なんでこうなる? の子猫を借りて不貞寝したい気分だった。