第2章 猫を見に行こう
「ちゃーん!」
家の奥から祖母に呼ばれ、ちょっと待ってて、とは駆けていった。
ようやくローはシャチを離す。
「がっつきすぎだ。引いてただろ」
「すいません……」
咳き込みながらシャチは素直に謝った。
「でもちゃん本当に可愛くて……どうしたら付き合えますか!?」
「知るか。俺に聞くな」
「この中で一番経験値高いのキャプテンでしょ!」
「シャチお前……黙ってても告白されてヤり捨てしても相手に困らない人が本当に経験値積んでると思ってんのか?」
冷静なペンギンの言葉にシャチはがっくりとうなだれた。
「キャプテンになりたい……」
「無理だよ」
猫と遊んでいたベポが無情に告げる。
「じゃあせめて、ちゃんには手を出さないでくださいよ! 俺本気なんです! 可愛いし、いい子だし、可愛いし! 何でもするから付き合いたい!」
(どいつもこいつも……)
人を何だと思ってるんだ。
「出さねぇよ。……誓約書でも書けば満足か?」
「いや、そこまでは……」
不機嫌になってしまったローにシャチは慌てて否定する。
信用がないのは自業自得だが、ローにも良心はあった。
シャチたちにもラミにもまるで人でなしのように言われるが、必ず同意は取ったし、無理強いもしていない。割り切った体だけの付き合いをしただけだ。
を言いくるめてそういう関係になりたいなんて本当に思っていないし、いい子だから大事にしてくれる男と付き合うべきだと思う。それがシャチかはさておいて。
「おばあちゃんがお好み焼き用意してくれるって。このあと予定ある?」
パタパタと戻ってきたがお昼に誘ってくれた。
「ない!」
「お好み焼き大好き!」
が招いてくれたので、四人は縁側から中に上がった。それぞれ自分のグラスを持って、ダイニングにお邪魔する。