第16章 ライバルとして。
アルがナックルシティを出ると、いつものようにホップがバトルを挑んできた。
最近のホップは何かに迷っているようで、手持ちのポケモンをいろいろと試している。
『ホップ、どうしたの?最近様子がおかしい気がするんだけど…。相棒のウールーも見ないし』
「…大丈夫だぞ?勝つためにたくさんポケモン育ててるだけだ」
そう言うホップの表情は苦悶の色が伺える。
アルはライバルとして、親友として、普段の元気がないホップが心配になった。
バトルをしてもホップの調子が悪いのが伝わってきて、アルが勝つと余計にホップは落ち込んだ。
『やっぱりいつものホップと違うよ』
「…なんで、勝てないんだ」
小さな声でホップが呟く。
アルには何を言ったか聞こえず、なんて言ったのか聞き返すもホップは、なんでもないぞ?と誤魔化した。
「やっぱりアルたち強すぎだぞ!オレももっと頑張らないとなー」
ホップはそういうと笑っていたが、心なしか悲しみが混ざっているようにアルには見えた。
『ホップ、何か悩んでいるなら話を聞くよ?私はホップのライバルで、親友なんだから!』
アルの言葉を聞いて、ホップはアルをじっと見つめる。
そして、ふっと力が抜けたようで表情が和らいだ。
「ありがとな。でもこれはオレだけで乗り越えなきゃいけない気がするんだ…。だから大丈夫だぞ!」
今度はいつものホップの笑顔が返ってきて、その笑顔にアルは、良かったと安心したのだった。