第5章 無限列車
炎柱の元へ行くと、炭治郎達の元へと連れて行く。
杏「栗花落殿は何故ここにいる?」
『耀哉に頼まれたから。全員、生きて返すようにね』
―暁の呼吸 伍の型 暁光の慈悲―
答えながら炎柱の傷を治す。
さすがに体力使うな。戦っている途中だから、余計に厳しい。
顔をしかめていると、全員が驚いて固まっているのが見えた。
杏「傷が治った.......だと」
炭「こんな奇跡みたいなことがあるなんて.......」
伊「ありえねぇ.......」
『驚いてるところ悪いけど、それどころじゃないみたい』
三人を庇うように背を向けると、狂ったように笑う猗窩座が姿を現した。あいつが来る前に、と持っていた小瓶を後ろに投げる。
『炭治郎達三人はそれ飲んで。すぐに傷は治らないけど、楽にはなるから』
炭「一本を三人で、ですか?」
『それ飲みすぎると逆に毒になるの。元々、猛毒のある花から作ってるから。三人でその小瓶一本がちょうど良いくらいなのよ』
「つべこべ言わずに飲め」と殺気を送ると、慌てて飲み出した。
炭「にっ.......ゲホッゲホッ!!」
伊「なんだこのクソ不味い飲み物は!!」
『それ、匂いは甘いんだけど、めちゃくちゃ苦いのよねー。まぁ、良薬口に苦しっていうし。死にたくなかったら飲んどけ。あの黄色い子にも飲ませとけよ』
さてさて、そろそろ終わらせて戻らないと。可愛い天使たちが待ってるし。
『炎柱』
杏「なんだ!」
『あんた、動けるでしょ?』
杏「当たり前だ!」
『そ。なら、自分を守りつつ、後ろの3人を守ってくれる?治したとはいえ、完全に治したわけじゃないからキツイだろうし。上弦の参を相手にしながら、あんた達四人を守るのはちょっとキツイ。多分、私がいるからそっちには行かないとは思うけど。守りがいるといないとでは、だいぶ違うから』
後ろを柱が守ってくれるなら、集中して戦える。そう伝えると、「任せろ!」と勢いのいい返事が返ってきた。
『じゃ、お願い』
そのまま振り返ることなく、二、三歩前に近づくと、猗窩座の後ろに移動し、刀を振り下ろした。