第5章 無限列車
炭「芳華さん!!」
『炭治郎、この列車はおそらく鬼と融合してる!私は首のある運転室に行くから、炭治郎は上に行って!!』
炭「はい!!」
禰豆子が他の三人と乗客を起こしてくれてるから、そろそろ三人も来るはず。もはや戯骸となった姿の鬼は炭治郎が相手してくれているし、早く首を切らなきゃ!
運転室につくと、匂いが一段と濃くなった。
間違いない、ここだ。
「なんだお前は!!でっ、出ていけ!!」
『お断りよ。邪魔だから、眠ってて』
鳩尾を一発殴ると、すぐに気を失う運転手。こいつも阿呆の一人か。
運転手を後ろの車両に移動させ、運転室へと戻る。その時、無数の腕が襲ってきた。
何これ、キモッ!!手多すぎでしょ!!キンモッ!!キモイの嫌!!
― 暁の呼吸 弐の型 暁鴉乱舞 ―
広範囲で斬られた腕はなくなり、隠れていた首の骨が見えた。
デカくね?全体を想像するだけでとても気持ち悪いです。
炭「芳華さん!!」
伊「怪しいぜ怪しいぜ。この当たり特に!!」
いいところに来た!
『二人とも手伝え!!』
炭「はい!」
伊「命令すんじゃねぇ。親分は俺だ!!」
『そういうのは、私に勝てるようになってから言え!』
なんだかイノシシが文句言ってるけど、それどころじゃないんだよ!
『イノシシ、あんたが肉を斬れ!私と炭治郎で骨を断つ!』
すぐに攻撃しないと、肉が閉じちゃう。そう二人に叫んだ瞬間、炭治郎の後ろに人影ができた。
『炭治郎っ、危ない!!』
「夢の邪魔をするな!!」
手を伸ばしたその時、気絶させたはずの運転手が錐で炭治郎の腹を刺した。
『.......っ、邪魔よ!!』
少し強めに手刀を落とすと、また気絶する運転手。
『炭治郎!!』
炭「大丈夫です!!それより早く!!」
正直、炭治郎の怪我が気になるけど、まずはこっちだ!
― 獣の呼吸 肆の牙 切細裂き―
―ヒノカミ神楽 碧羅の天―
―暁の呼吸 捌の型 暁天氷輪―
二人で一斉に首を斬った瞬間、凄まじい断末魔と揺れが襲った。
何これ!うるさい!
二人を見ると、伊之助は特に問題なさそうだったが、炭治郎は刺された腹が酷いのか、顔をしかめてかなり辛そうだった。