第5章 無限列車
side 炭治郎
善「え─────っ!!また指令来てなかったのかよ!!居て良かったじゃん、しのぶさんちに!!」
鴉に言われた場所に来てから発覚した事実に善逸は怒り心頭のようだ。
炭「いや.......治療終わったし、一ヶ所に固まっているより」
善「あんな悲しい別れをしなくて良かっただろ」
炭「いや.......指令が来た時、動きやすいように.......あと炎柱の.......」
善「バカバカバカァ!!」
ボカボカと俺を叩く善逸。痛い.......
善「しかも、結局あの綺麗な人とお近付きになれなかったじゃねーか!!名前くらい教えろよ!!」
炭「いや、だって、本人が教えなくていいって言うし」
善「お前だけずりーよ!!」
こっそり教えてもいいけど、善逸じゃ、内緒にしておくのは無理そうだし。それに、教えたって知った後の芳華さんが怖いしなぁ。
普段の優しい雰囲気の陰に隠れている、他の柱ですら簡単に膝をつかせる威圧感と、合うだけで背筋が凍るほど冷たい目。最高位である柱をもう12年もやっているのだから、当然といえば当然だけど、他の柱とは違う何かがある人だ。
伊「オイ」
善「今忙しい!!」
伊「オイ!!オイッ!!」
善「何だよ、うるさいな!」
伊「なんだあの生き物はー!!」
何故かプルプルと振るえて目の前の箱を指さす伊之助。この土地の主だといって攻め込もうとすると、善逸に止められた。どうやら、これが鴉の言っていた列車らしい。
うるさくしすぎて、やってきた警官に刀を見つかって、慌てて逃げた。
善「政府公認の組織じゃないからな、俺たち鬼殺隊。堂々と刀持って歩けないんだよ、ホントは。鬼がどうのこうの言っても、却々(ナカナカ)信じてもらえんし、混乱するだろ」
炭「一生懸命頑張ってるのに.......」
善「まぁ仕方ねぇよ。とりあえず刀は背中に隠そう」
善逸の案で刀は背中に。伊之助はとりあえず布で覆って見えないようにした。善逸の買ってきてくれた切符で車内に乗り、既に乗車しているはずの煉獄さんを探そうとした時。
?「うまい!」
炭/善「!?!?」
?「うまい!うまい!うまい!」
炭「!?」
突然聞こえてきた大きな声に驚いて、声の出処に行くと、声の主は探していた煉獄さんだった。