第3章 赤い髪の少年と鬼の少女
禰「(プイッ)」
耀「どうしたのかな?」
「鬼の女の子はそっぽ向きました。不死川様に刺されていましたが、目の前に血塗れの腕を突き出されても我慢して噛まなかったです」
耀「ではこれで、禰豆子が人を襲わないことの証明ができたね」
実/炭「「!!」」
その言葉に、禰豆子の前に出していた腕を引いた。そして、逆の手で禰豆子の頭を優しく撫でた。
『よく頑張ったね、禰豆子ちゃん』
褒めると嬉しそうにぎゅっと抱きついてくる禰豆子。可愛すぎる。思わずニコニコになって撫でる手を早めてしまう。
炭「(綺麗……)」
蜜「(可愛い♡)」
し/無「(羨ましい……)」
『?』
なんか後ろから視線を感じる。なんだろう?
耀「炭治郎、それでもまだ禰豆子のことを快く思わない者もいるだろう。証明しなければならない。これから、炭治郎と禰豆子が鬼殺隊として戦えること、役に立てること」
『(よしよし)』
耀「十二鬼月を倒しておいで。そうしたら皆に認められる。炭治郎の言葉の重みが変わってくる」
『(よしよし)』
炭「俺は……俺と禰豆子は鬼舞辻無惨を倒します!!俺と禰豆子が必ず!!悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るう!!」
耀「今の炭治郎にはできないから、まず十二鬼月を一人倒そうね」
炭「はい」
『ぷっ!』
ツ、ツッコミが早すぎるっ!一刀両断しすぎて面白すぎるっ!
禰「???」
爆笑しないように両手で顔を覆って、必死に笑いをこらえる。そんな私を禰豆子ちゃんは不思議そうに見ている。柱は柱たちで頑張って笑いをこらえている。我慢大会か。
『……っ、た、炭治郎っ』
炭「は、はい(笑ってる)!!」
『き、鬼殺隊の柱たちはね、当然抜きんださ、才能があるのっ。ふふっ、血を吐くような鍛錬でっ、た、叩き上げて死線をくぐり、十二鬼月をも倒しているわ、ふふっ』
炭「(爆笑してる……)」
無「(師範が……珍しい)」
『だからこそ、柱は尊敬され優遇されるのっ。態度と口の利き方には、ふっ、きを、気を付けて……あははっ!』
炭「は、はい(まだ笑ってる……)」
駄目だ、顔を見たら余計止まんなくなってきた。禰豆子はまた頭を撫でて欲しいのか、私をつんつんと指で刺してくる。可愛い、可愛いけど今は止めて!余計笑っちゃう!!