第3章 赤い髪の少年と鬼の少女
耀「この炭治郎は鬼舞辻と遭遇している」
「「「「「!!!!」」」」」
全員が目を見開いて、どこ出会ったのか、どんな姿だったのか、戦ったのか、炭治郎を質問攻めにしていく。
そんな一気に聞いても答えられんでしょうに。
耀「鬼舞辻はね、炭治郎に向かって追っ手を放っているんだよ。その理由は単なる口封じかもしれないが、私は鬼舞辻が見せたしっぽを掴んで離したくない。
おそらく、禰豆子にも鬼舞辻にとっても予想外の何かが起こってるのだと思うんだ。わかってくれるかな?」
鬼舞辻は人間のふりをして紛れ込んでいる。彼が会ったという鬼舞辻は妻子連れの成人男性。私が会った鬼舞辻は妖艶な女性。おそらく他にも別の姿があるだろう。あいつだって長い間生きてる訳だから、姿をくらませることくらい朝飯前。だから、柱も会ったことがないし、私も一度しか会ったことがない。
鬼舞辻は私に追っ手を放っているけど、もう一人増えたことでしっぽは二つになった。この機会は絶対に逃すわけには行かない。そのためには妹ちゃんの存在は必要不可欠。
実「わかりません、お館様。人間ならば生かしておいてもいいが、鬼は駄目です。承知できない」
耀「なら、禰豆子が人を襲わないと証明できればいいのかな」
実「それは.......っ」
言葉に詰まる実弥。
まぁ、証明してしまえば何も言えないしね。
杏「しかし、お館様!その鬼の入った箱は先程から行方知れず!証明のしようがありません!」
炭「そうだ……っ、禰豆子!禰豆子はどこに!?」
耀「禰豆子なら大丈夫だよ」
視線があった。
「芳華、禰豆子を連れて出てきてくれるかい?」
やっと出番ですか。
音なく立ち上がると、箱を抱えて下に降りた。