第3章 赤い髪の少年と鬼の少女
「「お館様のおなりです」」
その時、二人の少女の声がして、奥から昨日も会った人物が支えられて出てきた。
やっと来た。早くこの場を収めてくれ。特にあのお馬鹿さん。
「おはよう、みんな。今日はとてもいい天気だね。空は青いのかな。顔ぶれが変わらずに半年に一度の柱合会議を迎えられたこと、嬉しく思うよ」
彼が現れると、その場にいた全員が膝をついた。私は木の上なので無理っす。多分、いや、絶対に存在には気づいてると思うし、いいよね?いいとも!
実「お館様に置かれましても、御壮建で何よりです。益々の御多幸を切にお祈り申し上げます」
耀「ありがとう、実弥」
あら、しっかり挨拶してる。そこは柱なだけあるね。
お兄ちゃんの方は実弥と呼ばれた青年の変わりように驚いて凝視している。気持ちはわかるよ、うん。私もびっくりしたもん。
実「畏れながら……柱合会議の前にこの竈門炭治郎なる鬼を連れた隊士について、ご説明いただきたく存じますが、よろしいでしょうか」
耀「そうだね。驚かせてしまってすまなかった。炭治郎と禰豆子のことは私が容認していた。そして、みんなにも認めて欲しいと思っている」
その言葉に、柱たちはそれぞれ反応を見せた。反対する者、賛成する者、何も言わない者、人それぞれだ。まぁ、当然ながら反対する者がほとんどだが。
予想通りの反応なので、特になんとも思わない。あちらもそうらしく、ある人物からの手紙を読ませた。
手紙の主は鱗滝左近次。元水柱であり、少年 竈門炭治郎の育手。彼のことはよく知ってる。私も彼の訓練を受けたことがあるから。彼の目は確かだ。そんな彼が認めた剣士なのだから、心配はしてない。なのに、
実「死にたいなら、勝手に死に腐れよ!何の保証にもなりはしません!」
杏「不死川の言う通りです!」
わからないかなぁ。頭の固い人は苦手だわ~。やだやだ。