第3章 赤い髪の少年と鬼の少女
呆れつつ彼らを見ていると、少年が何かを探し始めた。おそらく妹ちゃんだろうな。ほんとどこ行ったんだろう。この辺にいるはずなのに。
小「そんなことより、富岡はどうするのかね」
炭「!?」
小「拘束もして無い様に、俺は頭痛もしてくるんだが。胡蝶めの話によると、隊律違反は富岡も同じだろ。どう処分する?どう責任を取らせる?どんな目に遭わせてやろうか。
なんとか言ったらどうだ、富岡」
蛇……私、蛇は苦手なんだよな。ニョロニョロとしてて。蜘蛛よりマシだけど。あの人面蜘蛛はとても気持ち悪かったわ。蜘蛛にされた人達には悪いが、あんなのに追いかけられたら発狂して全部ミンチにしちゃうよ。
あの人面蜘蛛たちを思い出すだけで、気持ち悪さから震えてきた。
そんなことを思い出していると、下にまた一人現れた。
実「おいおい、なんだか面白いことになってるな。鬼を連れたばか隊員ってのはそいつかい」
そう言った顔に傷のある彼の左手には箱が乗っかっていた。
妹ちゃん、あんなところにいたんだ。どうりで見当たらないはずだわ。それに、勝手なことするからしのぶ怒っちゃってるじゃん。馬鹿な子ねぇ~。しかも、女の子をあんなふうに扱うなんてお姉さんも怒っちゃうわよ!!
実「鬼がなんだって、坊主?鬼殺隊として、人を守るために戦える?
そんなことは有り得ねぇんだよ、馬鹿が!」
刀を抜いたそいつは妹ちゃんの入っている箱を突き刺した。
『ボソ)ありえない』
こいつ馬鹿すぎでしょ。
立ち上がると、彼の手にある箱を奪い、音なく元の場所に着地した。
ごめんね、もう少しだけ待っててね。
妹ちゃんに伝えるように、箱を抱きしめる。下では突然消えた妹ちゃんに全員が驚いて、キョロキョロしていた。お兄ちゃんの方は必死に妹ちゃんの名前を叫んでいる。誰も私には気づいていない。