第6章 俺の友達が多分恋をしている件について
「ヒィィっ!!伊之助まで頭傾げてるっ!!」
「……何でアレが。……よ…よく分かんねぇ!!」
伊之助ですら首を傾げてから
頭を抱える姿にやっぱりその印象は
どうにもよく分からないぞ。と困っていたら
炭治郎が何とか助け舟を出してくれた。
「げ、玄弥は何で母のように思ったんだ?」
「優しくて、可愛くて、頼りになるけど
必死で頑張ってて支えたくなる……から。」
ソレにこれまた何故か”当たり前だろ?”みたいな
顔で答えた玄弥は直ぐにモグモグと弁当を
咀嚼し始めたのだが何故照れないのだろうか。
「ヤダ奥さん…内容は…アオハルでしたよ。」
「玄弥のお母さんはか、可愛らしい人なのか?」
「ああっ!!小さくて可愛い感じの優しい人だ。」
めちゃくちゃ”好きな理由”に聞こえた
そのちゃんへの印象を呟いても
全く顔が赤くならないのは
本当に”自分の母へ向ける印象と同じだから”
という理由らしく、玄弥はカチカチと
スマホいじって”可愛い母”を見せてくれた。
「えっ!えぇええっ!!!!嘘!嘘でしょ!?
本当に可愛っっ!!え、羨ましっぃぃっ!!!」
「本当だ…優しげで可愛らしくて
とっても素敵なお母さんだなっ!!」
「コレから傷のオヤジと玄之助が
産まれるのか?……い…意味わからねぇ。」
玄弥的にも伊之助の疑問は納得な様で
”俺もめちゃくちゃ不思議だと思う”
なんて言うからついつい吹き出しそうになった。
そんな事をしていたら”好きなんだ”と
無理に自覚させる必要なんて無いなと思い
俺は普通に会話を楽しむ事にした。
何だかんだ話題はちゃんに戻って
玄弥が知っている”可愛い情報”を聞きながら
わいわいと盛り上がっていると
炭治郎がふっとあることに気がついた。