第6章 俺の友達が多分恋をしている件について
恐らく1週間ほど前から起こったその変化は
確実に玄弥のメンタルを攻撃していて
その攻撃をしているちゃんは
前よりいっそう”嘘つき”の音が酷くなった。
「グジグジすんな!話しかければ良いだろ!!」
「嫌だ。…これ以上無視されたら立ち直れない。」
「「 絶対”好き”だよそれ。」」
「なんだ、あの妙な女が好きなのか、お前……。」
寂しそうな感覚に伊之助が痺れを切らして
怒鳴りつける様に話しかけろと提案すると
眉毛が無いくせに眉を下げて
とても悲しそうに話しかけられない理由を
言うからとうとう俺と炭治郎は我慢できずに
”玄弥はちゃんが好きなんだよ”と
お節介にも教えてやるのだが、本人は
どうにもその言葉がしっくり来ないらしい。
「…そ…それとコレとは別だと思うんだよなぁ。」
少し戸惑いつつもそう思う理由は
鈍感な彼なりにあるらしく、それがとても気になり
ポソポソと話す声に耳を傾けてみた。