第6章 俺の友達が多分恋をしている件について
「ちゃんは相変わらず可愛いよねぇ。」
「まあ、可愛いよな。家の毛玉みてぇだ。」
「(いやいやいや、なんて音させてんの!?)」
案の定”コレ”である。
本人は無自覚なのだろうが
こんな話題をふれば悪人顔が優しく見えるほど
微笑みながら優しい声でこんなことを言う。
心音なんて”今すぐ愛でたいっ!!”と
聞こえそうな程、愛しさが詰まりまくっている。
「げ、玄弥、最近あまり一緒に居ないよな?」
「………あぁ、何か俺と話したくねぇんだろ。」
「(確実に寂しい匂いだ………。)」
今度は物凄く寂しそうな切ない音がする。
きっと炭治郎は”寂しい匂い”を感じ取っていて
伊之助も眉を寄せているから何かを感じてる。
何だかんだ”モーゼ組”なんてセットにされる程
一緒に居た2人は最近何故だか少しだけ疎遠だ。
挨拶や当たり障りのない会話はするものの
一緒にいる時間は俺から見てもわかるほど
ある日突然、物凄く減った。