第5章 俺は好きな女が手放せない件について
「危険な快楽…か。またロマンあること
してくれるねぇ……嫌いじゃねぇな。」
この関係を見てアイツが不誠実で
俺が可哀想何て思う奴がいたらぶん殴りたい。
”危険な快楽”にハマったのは明らかに俺の方で
逆上せ上がった頭を冷やせないのも俺だ。
それに”こうなった原因を作った”のも俺で
結局の所俺の迷惑な”好き”を聞いても隣にいる
はきっと辛いんだと思う。
それでも笑ってくれて、たまにこうやって
ご褒美までくれるんだから俺はそれだけでも
なんとも幸せだなんて思えるんだ。
「………お、フレンチトースト!!」
腹が減って冷蔵庫を開ければ
俺がボヤいていたフレンチトーストが
ひたひたになっていて、シロップ漬けにされた
フルーツまで用意されている様子に
ガキみたいたいワクワクした。
「ごめん、先に起きるつもりだったんだけど。」
「あと焼くだけだろ?俺やるから座ってろよ。」
目を擦りながらフラフラと起きてきて
謝るは夜な夜なコレを仕込んで
”天元が褒めてくれるから”なんて可愛い理由で
少し奮発したトリートメントを
髪につけていたんだろうな、なんて思うと
何一つとして悪い気はしなかった。